日本土地建物の視点

CATEGORY#2日本土地建物が
生み出す価値
Theme1

オープニングで多くのお客様が
喜んでいる姿を見る。
それが商業リーシングの醍醐味。

商業リーシング

菅原 創

2007年中途入社
資産マネジメント第二部

タウンマネジメントと連携して街に賑わいを創出。
「Toshi Yoroizuka」旗艦店を京橋に。

「あの『Toshi Yoroizuka』が、ですか?」 ――。
「京橋エドグラン」にふさわしく、街のシンボルとなるお店を誘致したいと考えていた商業リーシング担当の菅原にとって、「Toshi Yoroizuka」の出店検討情報は強烈なインパクトを持ってもたらされた。
パティスリー「Toshi Yoroizuka」は、厳選された旬の素材を使った人気店で、メディアの露出度も高い。
「願ってもないチャンスだ」
菅原はそう考えた。
京橋は、江戸時代からビジネスと商業の街として発展し、現在でも日本を代表する多くの大企業が本社を置くエリアである。一方、休日は比較的閑散としており、「休日も人が集まる街にしたい」というのが権利者からの大きな要望でもあった。
「街に賑わいを創出していくには、広域からお客様を呼び込める集客力のある店舗と、施設就業者や近隣の方が日常的に使える店舗とを上手く組み合わせ、魅力的な店舗構成とすることが必須条件でした。だからこそテナントを厳選したいと考えました」
菅原は京橋のエリア特性、企業属性、就業者の男女比や年齢構成、平日・休日の稼働状況などを綿密に分析。今の京橋に足りない要素、今後京橋を盛り立てていく要素についての仮説を立て、その内容について商業コンサル会社と議論を重ねていった。

コンセプトに合致する店舗を厳選し、
ピンポイントのアプローチでテナントを誘致。

議論を通じて菅原らはMD(マーチャンダイジング)計画を策定、商業施設のコンセプトを『“上質”“知性”“本質”を知る大人のためのカジュアル』と設定した。
「コンセプトは、関係者はもちろん、テナント候補先に出店イメージを持ってもらうためにも欠かせないものです」
「京橋エドグラン」の商業施設は店舗数が約30区画と、オフィスビルの足元に集積させる規模としては大きなボリュームがある。一方で、隣接する銀座や日本橋と比較すると京橋は商業施設の集積が不足している。夜と休日に賑わいをもたらすこと、想定約8000人の施設内就業者の飲食提供を行うことをテーマに、コンセプトに合致する店舗を商業コンサル会社と共にリストアップした。同時に、菅原らリーシング担当者自らがネットや情報誌などで集めた情報を元に食べ歩き、飲食店360社以上にアプローチした。
「Toshi Yoroizuka」は広域から集客できる知名度と施設のMD計画にピッタリだった。誘致に成功すれば、京橋エドグランのイメージアップにつながるだけでなく、京橋という街そのもののブランドイメージや人の流れにも大きな影響を与える。
「銀座から続く中央通り側には老舗の明治屋ストアーさんがあり、それに並ぶサウス棟にも施設ブランドイメージを体現する店舗を誘致することが命題でした。最高の顔を誘致できました」
だが、その他約30店舗の誘致に加え、同時に行う入居支援も気が抜けない重要なミッションだ。

*マーケティング手法の一つ。商業施設においては店舗の業種・業態構成の意

「京橋で一番のビルに」。
施設全体の調和を追求しながら出店を支援する、菅原の想い。

一般に大規模複合ビルのテナントリーシング業務は大きく2種類に分けられる。ひとつはオフィスフロアに入居する企業を誘致するオフィスリーシング、もうひとつは低層階の商業フロアに飲食店舗や物販店舗等を誘致する商業リーシングである。
オフィスでは立地やスペックなどが入居の判断基準になるが、商業施設の場合は「出店する場所が一般のお客様からみてどう見えるか」や、「路面なのか地下なのか、空中階なのか」なども重要な要素となる。竣工前ではそうしたことをイメージしづらいと考え、開発チームと菅原らリーシングチームはプロモーション動画や巨大な模型を作るなど営業ツールを充実させていった。
「東京メトロ京橋駅の改札から直結し、地下通路を通って上層に上がっていくルートを動画にして、駅直結の利便性を訴求しました。模型や動画を観ると店舗の方も『おっ!』と興味を引かれた様子でしたね」
リーシング戦略が奏功し多くの店舗からの出店希望を集めることに成功したものの、開業へ向けてはスケジュールの制約があった。大型複合施設であるが故の独特の仕様やルールがあるため、出店者は、通常のビルと比較して店舗内装設計に多くの時間と労力を掛ける必要があった。開業に間に合うスケジュールで施設側のルールに沿った内装設計図面を完成させるよう、リーシングチームも調整役として動いた。中でも調整が難航したのは、内装デザインルールの徹底だった。
「施設としては、銀座に負けない京橋・東京駅周辺で一番のビルに育てたいという想いがあります。お客様にとって魅力的な施設づくりを追求するため、施設の統一性を持たせるような店舗内装デザインルールをあらかじめ策定しました。各店舗は、一定のデザインルールのもとで設計を行うことになりますが、それは目指す水準が高いが故の“厳しめ”とも言えるルールでした」
「テナント様からは、『もっとデザインの自由度を高めて欲しい』との要望がありましたが、統一感を持たせることの重要性を粘り強く伝え、ご納得いただきました。施設側と店舗テナント様にはそれぞれの想いがありますが、最終的に目指すゴールは同じ。両者で常にそのゴールを見据えながら歩み寄りました」
商業エリアの約30区画は、2016年11月の開業時には、ほぼ満室の状態で稼働することができた。当初想定していたMD計画に合致した店舗を揃えることができ、菅原ら商業リーシングチームはひとまず安堵した。

『ずっと京橋エドグランにいたい』と思ってもらえるよう、
魅力的な施設であり続けていく。

菅原の業務はここから店舗の営業管理業務へとシフトする。
施設開業後はビルに常駐し、日々の店舗売上を管理・分析して集客や売上アップに向けての施策を検討するなど、各店舗の運営にまで踏み込んだ支援をしている。もちろん、タウンマネジメントチームと連携し、地元のお祭りや各種集客イベント、スクール、音楽ライブなどを企画、開催することで、人を集め、施設全体の売上アップを図ることも欠かさない。
「ビルに常駐していると、店舗スタッフと毎日顔を会わせるので、結びつきが強くなります。店舗の経営状況やスタッフが抱える悩み、今後の出店計画の相談なども受けるようになりました。時には店舗にとって耳の痛い意見を伝えたり、厳しく指導したりすることもあります。これも信頼関係が構築できているからこそですね」
菅原らは「商業開発は開業してからが本番」を日々実感している。
「店舗テナント側、施設側双方がハッピーになることがゴール。テナント様に『ずっと京橋エドグランにいたい』と思っていただけるよう、より競争力のある施設を目指していく。それには常に来街者のニーズを把握し、魅力ある施設づくりを推進していく必要があります。京橋周辺エリアにおける人の流れの変化に合わせて今の店舗の業態を変えていただくことも時として必要でしょう。それを日土地の側から提案し、魅力ある施設であり続けることが私たちのミッションです」
菅原はここ「京橋エドグラン」での経験を次の大規模プロジェクトにも活かしていきたいと考えている。
「管理面、商業区画の形状、お客様やスタッフの導線作り、店舗営業管理体制などさまざまな点で京橋エドグランのノウハウが活かせると思います」
日土地にとっての大きな“一里塚”は、菅原にとって次の道を指し示す道標となった。

TOP