CRE最前線!

2014/10/15 UP

CREから検討する中小企業の相続対策

税理士法人 平川会計パートナーズ 社員税理士 平川 茂

1. はじめに (中小企業の不動産戦略の特徴について)

不動産は、生活や事業のために必要となる重要な財産であるため、事業を長期間にわたって継続してきた経営者の多くが、不動産を所有している場合が多い。中小企業で特にオーナー企業と呼ばれる同族会社においては、企業が事業に使っている不動産をオーナー経営者が個人で所有している場合や、企業が資金調達をする場合に、オーナー経営者の所有する不動産を担保にして資金調達している場合も多い。そのため、中小企業の企業不動産(CRE)戦略は、そのような環境下において、相続や事業承継を円滑に行うために、資産の最適化を行うことにあると考える。つまり、法人所有の不動産だけではなく、個人所有の不動産も合わせて、所有や利用及び相続にかかるコストやリスクを計画的にマネジメントしないと、その中心となる財産である不動産を失う結果になる場合があるためである。

その重要なリスクの一つである相続・事業承継に関するリスクには、大きく分けて2 種類のリスクがある。その一つは、相続財産である不動産や自社株式を遺産分割する際に、相続人間でトラブルが発生する分割リスクであり、もう一つは、相続税が課税される場合、相続人毎に納税資金を捻出する必要があるが、資金が不足する場合の納税リスクである。

相続税の課税割合は、平成24年分で4.2%(全国平均)となっており、課税される方は年間5万人強(被相続人数)である。そして、相続財産に占める不動産の割合は約51%となっているが、大都市圏の商業地等に事業用の不動産を所有している方は、財産に占める不動産の割合が非常に高くなっていることから、相続の納税リスクを軽減するためには、不動産から納税資金を確実に生み出すプランが、重要となることがわかる。さらに、同族会社の事業承継の場合は、納税資金の捻出を同族会社である自社の資金力に依存する場合がある。例えば、死亡退職金の支給や自社株式の取得(購入)により、納税資金を後継者に支払うことが出来る財務力を同族会社が持つことで、納税資金の不足のリスクに備えることも可能となる。

もう一つの遺産分割のリスクも、財産の中に占める不動産の割合が高くなるほど、トラブルが生じる可能性が高くなるのが特徴である。例えば、事業用不動産を所有している方の場合、事業承継者がいるかいないかによって、そのトラブルの内容が変わってくる。事業承継者がいる場合は、事業承継者に事業用不動産を渡すと、他の相続人が取得する財産の額が少なくなり、分割のバランスが悪くなることでトラブルになる場合がある。また、事業用不動産を事業承継者である相続人が相続し、現預金を他の相続人が相続すると、事業承継者に現預金が入らないため、納税資金に苦慮することもある。事業承継者がいない場合でも、財産の分割や納税資金の捻出のため、不動産の売却が必要になる場合があり、その意思決定を巡ってトラブルに発展することもある。

さらに、平成27年1月1日以降の相続から、相続税の増税改正が行われるため、その改正による税負担の増加額について、中小企業の経営者の関心が非常に高くなっている。

このように、個人の生活に必要となる重要な財産である不動産には、将来に向けて多くの問題が潜在化しており、相続の発生をきっかけに一気に顕在化する可能性がある。そのため、それを事前にマネジメントすることが必要と考える。

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