CRE最前線!

2014/10/15 UP

CREから検討する中小企業の相続対策

3. CRE戦略による財務改善

中小企業がCRE戦略を行う目的は、前述の相続・事業承継のためと、もう一つが財務戦略とリスクマネジメントのためである(図1)。

図1 中小企業の不動産(CRE)戦略の目的

企業が行う事業には、「創業期」「成長期」「成熟期」「停滞期」という4つのライフサイクルがある。既存の事業が「停滞期」になる前に、新たな事業(商品やビジネスモデル)を「成長期」に乗せる必要があるが、そのためには、商品開発のための先行投資が必要となる。また、既存ビジネスから大きな損失等が発生することもあるため、所有する不動産を財務上、最適なポジションに置くことにより、次世代のためのコストを捻出することが出来るとともに、リスクを軽減することが出来る。

企業が所有する不動産を最適化することで、企業の収益力がどの程度改善されるかを事例にしたものが、図2である。

①の現状において、本社ビル2億円と遊休不動産3億円という2つの不動産を所有している企業の総資本利益率(ROA)は5.0%、株主資本利益率(ROE)は7.5%である。この二つの数値が不動産を最適化することで、どのように変化するかを検討してみる。まず、②で遊休不動産を賃貸して5%の収益を確保した場合、ROAは6.5%、ROEは9.75%に向上する。また、③で遊休不動産を売却して、3億円の借入金を返済した場合、ROAは8.0%、ROEは8.4%に向上する。さらに、④本社ビルの証券化(セールス&リースバック)をし、さらに遊休不動産を賃貸した場合、ROAは7.4%、ROEは8.9%に向上する。

このように所有する不動産を最適化することにより、収益力の向上をはかることが出来る。つまり、この不動産の最適化により、企業価値を向上させ、財務的な安定性を上げて、ライフステージの変化に対応できる安定的な経営基盤を作ることが可能となる。また、企業価値と自社株式の相続税評価額は必ずしも一致しない。図3のように「創業期」には企業価値も相続税評価額も低いので一致している。「成長期」に入ると企業価値は急速に高くなるが、相続税評価額は急には高くならないので、不一致が生じる。「成熟期」に入ると相続税評価額も高くなってくるため再び一致する。「停滞期」に入ると企業価値は急速に低くなるが、相続税評価額は過去の利益の蓄積や保有資産の含み益等により急には低くならないため、ここでも不一致が生じる。特に「停滞期」の不一致は、実際の企業価値よりも相続発生時の評価額が高額となるため、実態より高額な相続税がかかることになる。つまり、「成熟期」から「停滞期」に転換する前に、資産を最適化して、対策を取ることが必要となる。

図3 ライフサイクル別の企業価値と相続税評価額の違い
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