CRE最前線!

2010/5/25 UP

3.資産除去債務の計上・開示を価値向上に繋げるために

石川

お話を伺っていると、多数の固定資産を保有している重厚長大なインフラ業界や化学関係企業のみならず、賃貸借や借地等を多用している小売業や物流、新興企業にも影響がありそうですね。

光成氏

そう思います。すでに2010年4-6月の第一四半期が始まっていますから、8月中旬の第一四半期決算開示まであまり時間はありません。早急に対象資産の選定、現況把握、見積もり収集・確認、経理処理といった各フェーズでの作業を開始した方がよいと思われます。同業種の動向を見てからという企業も少なくないようでが、すでに準備済みで、次年度以降の体制も整っている企業もあります。第一四半期にどの程度の企業が資産除去債務を計上するか、その行方に注目が集まっています(図3)。

石川

企業にとって、この会計基準を適用するにあたり、実務上求められることはなんですか。

光成氏

資産除去債務に関する会計基準では、該当する法令や対象資産の規模、見積もりの考え方等についての詳細な情報は記載されていません。そのため、計上にあたっては各社が自社の開示方針を決め、継続的に計上する仕組みを構築する必要があります。加えて、外部への説明が可能であり、今後も内部での継続的な計上が可能となる方針やマニュアル、実施体制を構築すべきでしょう。

石川

監査役監査の着眼点にも「資産除去債務の対象となる、法令または法律上の義務と同等の不可避的な義務をすべて洗い出して適用対象を定め、適切に除去債務を計上しているか。また毎期適切に見直しているか」という記載がありますように、そのような社内体制を整えることができるかどうかがポイントとなりそうですね。

光成氏

社内体制について言えば、資産除去債務の計上にあたっては社内の複数の部署の連携が必要になります。たとえば、アスベストや土壌汚染の法令は個別の施設・サイト単位での対応を求めるものですが、資産除去債務ではその情報を企業グループ単位での一括把握・管理することが求められます。

石川

経理部では、自社の保有する工場や建物等の簿価は知っていても、どの設備にどの程度アスベストがあるのかどうかについてはまったくと言っていいほど把握していないのが現状だと思います。企業グループ全体の資産を一括で把握・管理できている企業はどの程度あるのか心許ない状況ではないでしょうか。

光成氏

その通りです。IFRSの動向を考えてみても、今後はグループ単位での管理は必然的に求められることになるでしょう。そのためにも資産を管理するシステムも重要になると思われます。

<図3 資産除去債務の計上・開示を価値向上に繋げるために>
資産除去債務の計上・開示を価値向上に繋げるために
拡大表示する
top
  • CRE最前線!TOPへ
  • 目次に戻る
  • バックナンバー

法人のお客様へ 都市開発・不動産ソリューション・資産運用 トップ

CRE戦略支援についてのお問い合わせはこちら

  • 都市開発
  • オフィスビルのご案内
  • 開発プロジェクトのご紹介
  • 企画・開発/監理
  • 施工(建設工事・ビルリニューアル工事)
  • プロパティマネジメント
  • 不動産再生
  • 不動産ソリューション
  • CRE(企業不動産)戦略支援
  • CRE戦略とは
  • CRE戦略の必要性
  • CREマネジメントサイクル
  • M&A時代におけるCRE戦略
  • サービスのご案内
  • 戦略立案コンサルティング
  • CREXα(クレックスアルファ)
  • 賃貸等不動産コンサルティング
  • プロジェクトマネジメント
  • CRE SOLUTION Report
  • CRE最前線!
  • CRE講座
  • CRE SOLUTION Report不動産情報誌発行のご案内
  • 事例のご紹介
  • 遊休地の売却依頼に、操業中の工場売却を提案
  • 不動産価値を適正に把握することで、店舗賃料を削減
  • 遊休地に取引先の拠点を建設
  • 経営資源の観点から、不動産情報を一元管理
  • 旧本社跡地を高齢者向け賃貸住宅として再生
  • 査済証のない旧耐震建物を助成金対象へ
  • 不動産鑑定
  • 不動産仲介
  • 不動産証券化
  • 資産運用
  • 資産運用
  • 安心・安全への取り組み
  • 日土地のCRE戦略支援
  • CRE SOLUTION Report