CRE最前線!

2010/5/25 UP

2.国内の資産除去時や製品廃棄における主な対象法令

石川

建物等の有形固定資産の除去の際に求められる法令というのはどのようなものがあるのでしょうか。

光成氏

環境関連の法令が多いですね。たとえば、アスベスト関連では石綿障害予防規則や大気汚染防止法等、土壌汚染対策法、PCB特別措置法、フロン回収・破壊法など特別管理廃棄物に係わる法令が対象となります。鉱物や森林に係る法令が該当するケースもあります(図2)。

石川

土壌汚染やアスベスト、PCB、フロンなどに関する法令については多くの企業が対象となりそうですね。

光成氏

アスベストは現在使用している建物にも多数残っており、費用総額が一定規模になるケースもあります。

石川

法令によって発生しうる費用にはどのようなものがありますか。

光成氏

アスベストのほかには、高濃度PCBが含まれるコンデンサやトランスなどで現在も使用中の場合の廃棄費用や、冷蔵設備などのフロン回収費用、水質汚濁防止法の有害物質使用特定施設を廃止する際の土壌汚染調査費用などがあります。また、この会計基準は資産の所在する現地法令に準拠することを求めているため、海外の借地に建築された工場等で、現地の法令によって工場閉鎖や解体時には土壌汚染調査及び一定の対策が義務づけられているような場合にはその費用も資産除去債務に該当します。

石川

法令に加えて契約によって求められる費用も資産除去債務に該当しますが、それはどのようなものが考えられますか。

光成氏

たとえば、更地による原状回復が求められている定期借地に建築された建物の撤去・解体費用や、返却時に原状回復義務がある賃借物件等に改築等で造作をした場合などの原状回復費用などが考えられます。

石川

すでに一部の企業で資産除去債務の開示を行っているようですね。

光成氏

国内基準の早期適用をいっているのはまだ数社ですね。米国会計基準適用会社では商社などが数百億円の資産除去債務を計上していますが、金額は僅少・軽微であるとして影響なしとしている企業もあります。

石川

海外における企業の取組みについてお聞かせください。

光成氏

米国では、電力会社のようなエネルギー関連企業では数千億円規模の資産除去債務や環境債務を計上している企業もあります。2008年度決算で見ると、シェブロンは資産除去債務として93億3,500万ドル、環境債務として18億1,800万ドルを計上しています。エネルギー関連業種 では、資産除去債務の割合が総資産の5%前後になっています。

石川

業種にもよりますが、かなり大きな影響がありますね。そうなると「合理的な見積もりができない」として開示したがらない企業も出るのではないですか。

光成氏

米国でも見積もり可能な場合のみ開示しているという記載が多いのが現状です。一方で、新たに見積もりができるようになり、増額される可能性があることも説明することが重要だと思われます。予期しない新たな開示が続くと、社内体制や開示姿勢に疑問が投げかけられることも考えられます。米国でも環境債務情報の開示の不透明を指摘され、格下げされた事例が報告されています。

石川

日本でも該当する企業は速やかに対応した方がよいようですね。

光成氏

そうですね。翌期や翌々期等になると、特別損失での計上ができないため、すべて減価償却費としての処理になり、営業利益等への影響が大きくなると思われます。「合理的な見積もりができない」場合には、その理由や範囲をCSR報告等で補完的に説明し、社内外問わず予期しない突然の損失を発生させないことも重要なリスクコミュニケーションといえるでしょう。

<図2 国内の資産除去時や製品廃棄における主な対象法令>
国内の資産除去時や製品廃棄における主な対象法令
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