CRE最前線!

2010/1/1 UP

第1回講座 土壌汚染対策法と土壌リスク

Question

土壌汚染対策法について教えてください。また2010年4月に一部改正されますが、CREへはどのような影響があるのでしょうか。

Answer

日本における土壌汚染の取り組みは、国の地下水調査によって判明した、有害物質による地下水汚染の拡大を抑制するため、その有害物質を使用する工場の土壌汚染対策、すなわち「工場の環境管理の問題」という認識でスタートしています。ところが、2000年に、関西エリアで建設中のマンション用地で土壌汚染が発見され、8階まで立ち上がった建物を取り壊すというニュースが報道されたことがきっかけとなり、土地取引の場面で「土壌汚染をどう扱ったら良いのか」という問題が起こってきました。

2003年に施行された土壌汚染対策法は、「有害物質使用特定施設廃止時」「人の健康被害が生ずる恐れがあると知事が認める場合」において、土地所有者が土壌汚染調査をしなければならないというものです。

2010年4月1日に改正される土壌汚染対策法では、新たに「形質変更時の行政への届出義務」が加えられ、3,000m2以上の土地を形質変更する場合、その旨を行政に届出するもので、行政が汚染のおそれの有無を判断することになります。

仮に「土壌汚染のおそれあり」と判断された場合、行政から土壌調査の命令が出されます。調査の結果、有害物質が基準値を超過した場合、新たに分類される「要措置区域」「形質変更時要届出区域」に指定され、登録台帳に記載されるという行政管理がなされることとになります。この法改正で、土壌汚染対策法の適用を受ける機会が多くなり、行政から公表される「何らかの汚染がある区域(要措置区域もしくは形質変更時要届出区域)」は間違いなく増加することになるでしょう。

<図1 土壌汚染対策法の一部改正後のフロー>
土壌汚染対策法の一部改正後のフロー
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Question

土壌汚染対策法以外の、土壌汚染に関する行政の動きについて教えてください。

Answer

現在、中央環境審議会で地下水環境基準の改正が検討されています。新たな追加項目として、塩化ビニルモノマーと1,4ジオキサンの2物質が上げられています。塩化ビニルモノマーは、地下水の揮発性有機化合物汚染の浄化手法として利用が増えつつある、嫌気性バイオ処理の分解過程での生成物質であることから、今後の成り行きに注意が必要です。

土壌汚染対策には、各種の浄化対策手法が実施されていますが、その対策手法の評価軸として、対策工事の着手から完了までの総発生CO2量を算出し、比較することが試行されています。今回の土壌汚染対策法改正の目的の1つに、これまで土壌汚染除去の主流であった「掘削除去」の偏重を抑制しようという狙いがありますが、その結果、掘削土壌を処理・処分場まで運搬する時のCO2の発生を抑えることができるでしょう。CO2削減は、今後、土壌汚染対策手法の選定に際しても重要視される方向にあると思います。

Question

CREにおける土壌汚染リスクとはどのようなものでしょうか。

Answer

土壌汚染対策法はあくまで「人の健康被害の未然防止」を唯一の目的として作られています。土地取引に与える影響などは全く考慮されていないと言えるでしょう。

土壌汚染された土地は、行政が区域指定して事実上管理することになるわけですので、一般生活者にとっては安心と捉える考え方もありますが、土地所有者における不動産取引にとっては、当面はデメリットの方が大きいと考えられます。今回の法改正は、行政の管理下で調査や対策等を行うことになるので、それに伴う費用や時間は、自主調査や対策のようにはいきません。少なからずCRE戦略への影響が生じる可能性があると考えられます。

CREにおける土壌汚染リスクとは、仮に土壌汚染がわかった時には、汚染を除去する費用が思いの外かかるということと、行政調査によって汚染が判明した場合は区域指定され、その管理下におかれるということ、そして土壌汚染は不動産評価にかかわるということです。

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