CRE最前線!

2009/9/1 UP

第3回講座 環境不動産の今後の方向性

Question

環境不動産の活性化にむけた検討の方向性について教えてください。

Answer

不動産の環境性能に対する意識は確実に高まりつつあります。一方で、環境投資に対する意識も高まっています。そうした中にあって、実物不動産やREIT等による不動産投資市場の中で、環境不動産が意識されるための施策を検討していく必要があると考えています。そして、その前提として環境不動産に関する評価のあり方や情報提供のあり方についても、より詳細に検討していかなければならないと考えています。

そのため、昨年度に引き続き研究会において、(1)不動産における「環境」の価値の評価軸の整理、(2)環境価値の共有化を図る仕組みの構築、(3)環境不動産の価値を評価・分析するためのデータ蓄積・情報収集・提供等について検討していただく予定です。

Question

環境不動産の普及にむけた今後の方向性を教えてください。

Answer

まず、国内外の環境性能評価基準について把握し、整理するところから始めて、次いで、環境不動産における環境価値の概念を整理する必要があると考えています。省エネはもちろんのこと、そこで働く人たちにとってのよい環境、外部から見た場合の景観への配慮、周辺の環境への配慮など、環境不動産を普及させていく上で考慮すべき課題や側面は多方面にわたります。そうした情報をどのように収集して、どのように提供していくのが良いのか、これからさらに詳細に検討していかなければならないと考えています。

また、先ほどもお話したように、環境不動産を普及させるためには、安定的な投資がなされることが重要です。環境不動産に市場性をもたせるためには、環境という非常に恣意的にとらえられがちな要素をなるべく数値化するなどわかりやすい情報のあり方が必要になるだろうと考えています。生産性、景観、生物多様性、快適性、緑の効用など、極めて数値化しにくい問題について、可視化することで投資上のメリットがあることを提言していくのは、これからの大きな課題です。中長期的スパンでみた場合、なんらかの規制や政策誘導も考えられると思います。

我が国においても、環境不動産の事例が増えてきています。

東京都では平成17年より、大規模な新築または増築マンションの販売広告に、建物の断熱性、設備の省エネ性、建物の長寿命化、みどりの4項目の環境性能を示すラベルの表示を義務付ける、「マンション環境性能表示」制度を取り入れ、家庭部門の温暖化対策の推進を図っています。本制度と連動して優れた評価を得たマンションの購入者に対し、優遇金利による住宅ローン商品の販売を行う取組が、住友信託銀行(株)によって行われています。また、福岡で(株)ニューガイアが開発したマンションは、太陽光発電の屋上設置や、空気熱でお湯を沸かすエコキュートの導入により光熱費を抑える等、環境性能の高いマンションです。こうした環境性能の高さや、環境への関心の高まりを背景に、本マンションの入居率は100%を達成しています。

今後は、これまでの研究会における検討成果を踏まえつつ、我が国においても動き始めた環境不動産の取組がさらに活性化するよう、不動産の環境価値を関係者で共有する仕組みや、環境価値を評価・分析するための情報収集・提供体制等について検討を行っていきます。我々の次世代に継承するサステイナブルな生活基盤の形成に貢献するため、関係者の方々と連携・協力し、広く様々なご意見を取り入れながら、さらに検討を深めていきたいと考えています。

今年度の研究会では、これらのことを踏まえて、CO2削減など数値化しやすい分野と、数値化しにくい分野に関してワーキング・グループを立ち上げて、さらなる検討を重ねていく予定でおります。

【参考】国土交通省 土地総合情報ライブラリーホームページ
不動産における「環境」を考える研究会 http://tochi.mlit.go.jp/tocjoh/kankyou/

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