CRE最前線!

2009/2/1 UP

第2回講座 検討会の中間とりまとめについて

2007年12月にまとめられた「オフィスビルの地球温暖化防止対策検討会」(以後、検討会)の中間とりまとめについては、国土交通省のホームページで公開していますので、詳しくはそちらを参照していただければと思います。ここでは、その要点を簡単にご説明します。

オフィスビルのCO2排出量は、業務その他部門の約2割を占めると考えられます。京都議定書の基準年度(1990年度)に比べ、国内のオフィス床面積が大幅に増加していることに加え、経済活動の高度化・多様化・グローバル化にともなうOA化、IT化の進展や事業活動時間の延長等により、オフィスビルでの事業活動に起因するエネルギー消費量の増加とCO2排出量の増加が生じている実態を踏まえ、中間とりまとめでは、オフィスビルの建設流通にかかわる業界とテナントが共通認識をもってCO2排出量削減に取り組むことの重要性を指摘しています。そのうえで、オフィスビルのCO2排出量削減について、次の3つの推進方策を提言しています。

1.ビル業界の共通指針となる「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」(仮称)の策定

ガイドラインは、オフィスビル全般におけるエネルギー運用管理および省エネ対策の基本指針となるよう(一社)日本ビルヂング協会連合会が主体となって策定することになり、

  1. (1)新築、改修、設備更新時におけるハード面での省エネルギー対策(オフィスビルにおける熱負荷の抑制、熱源設備、空調換気設備、照明設備、電気設備等各種設備の高効率化、運転制御システムの導入等のハード面の対策メニューと省CO2効果・省エネ効果を提示)
  2. (2)運用管理時におけるビルオーナーの運用面での取組(ビル全体の熱源設備、空調換気設備、共有部分の照明設備、電気設備、昇降機等について、効率的運転の実施等運用面の対策メニューと省エネ効果を提示)
  3. (3)ビルオーナーとテナントの連携・協働による運用面での取組(ビルオーナーによるテナントの省エネ意識啓発と取組推進啓発の必要性、ビルオーナーとテナントによる省エネ推進会議の構築、空調の設定など管理規則の見直しによる運用面の対策メニューと省エネ効果を提示)
  4. (4)テナントによる運用面での取組(空調の設定や照明、コンピューターの運用、ブラインドの活用等テナントによる運用面の対策メニューと省エネ効果を提示)
  5. (5)ビル全体の効率的なエネルギー管理システムの構築(エネルギー使用量等のデータ管理、評価等をおこなう体制を構築するための対策メニューを提示)

の5項目を盛り込むことが決められました。

このガイドライン(「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」)は、中間とりまとめからおよそ半年後の2008年6月に策定されました。ガイドラインは、CO2削減対策の意義とビルオーナーが着眼すべき5つのポイント、費用対効果を考慮した100の対策メニュー、テナントとの協働による対策=啓発対策・取組体制、エネルギー管理システムの構築=CO2の見える化・省エネ診断の活用、実在するビルでのシミュレーションから構成されていて、オフィスビルにおける地球温暖化対策のいっそうの推進にむけた指針となっています。このガイドラインは、不動産業界のみならず産業界全体への普及を図っており、その内容は、改正温暖化対策法により策定された「排出抑制等指針」などにも活かされています。

「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」
http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81020b12j.pdf

地球温暖化対策の推進に関する法律の要点と改正事項
地球温暖化対策の推進に関する法律の要点と改正事項
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2.既存ビルも含めた運用改善、省エネ診断・改修の促進方策の具体化

新築ビルの省エネ向上にとどまらず、既存のビルについても、エネルギー使用状況を適確に計測して、設備の稼動管理を適切におこない、改善が必要との評価が得られた場合には、ハード面および運用面において適切な改善をおこなう必要があります。その場合、建設・設備関係業者やエネルギー供給業者等と連携して、その専門的・技術的知見や提案を活用することが不可欠であることを提言しています。関係業界と連携した診断・改修の促進、環境配慮設計の推進、行動目標の検討に加えて、ESCO事業者との連携や各種助成制度の普及啓発を推進していくことが重要になってくると考えています。

3.テナントのCO2削減努力を実効的に促す方策の具体化

テナントビルにおいては、ビル全体でのエネルギー使用量およびCO2排出量の過半をテナント側が占めることになります。したがって、テナントビルでは、ビルオーナーの取組に加えてテナントの協力・取組が重要になります。そこで、ビルオーナーとテナントの連携・協働を促すための省エネ推進会議の設立促進、省エネ推進会議設立の目標設定、省エネ計算・評価ツールの利用による省エネ対策の「見える化」とテナントの省エネ成果の「見える化」の必要性を提言しています。さらに、省エネ対策を推進することによって、ビルオーナーとテナントの双方にとって経済的なインセンティブが働くような契約形態のあり方についても今後の検討課題として挙げています。

中間とりまとめでは、その他に、グリーン電力証書システムによるグリーン電力証書の購入等自然エネルギー活用や、都市開発におけるビル間のエネルギーの融通や再生エネルギーの活用等の面的なエネルギー対策の先導的なモデル事業の実施にむけた検討等を今後講じるべき推進方策における課題として提言しています。

また、(一社)不動産協会の「不動産業における環境自主行動計画」について、不動産業界を代表する主体の自主行動計画として抜本的な見直しを行うこととされました。

これを受け、同協会では2008年3月に、エネルギー消費原単位の目標削減率を明示するなどの改定を行った自主行動計画を策定しています。

オフィスビルの地球温暖化防止対策検討会」中間とりまとめ
http://www.mlit.go.jp:80/kisha/kisha07/01/011221_.html

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