CRE最前線!

2008/9/1 UP

第1回講座 CRECの目的・活動・今後の方針等

今回は、CRE(Corporate Real Estate企業不動産)戦略の普及にむけて活発な活動をされているCREC(CREマネジメント推進コンソーシアム)事務局長の小泉芳雄さん(三井物産戦略研究所新事業開発部パブリック・ビジネス推進室長)にお話をうかがいました。

1.CRECの設立経緯と目的

Question

CREC設立の経緯、その目的などについて教えてください。

Answer

いまから2年くらい前になるでしょうか。当時、阪神電鉄などに対するM&Aがマスコミを騒がせていました。CRE(企業不動産)が狙われたこうしたM&Aが話題になるにつれ、国土交通省は土地バブルの再燃を危惧し、その回避のためには、CREの有効活用による適正な地価形成に基づく不動産市場の健全な発展が不可欠だと考えていたようです。

そして、国土交通省にCRE研究会(合理的なCRE戦略の推進に関する研究会)が発足するのと時期を同じくして、2007年1月にCREC(会長:寺島實郎三井物産戦略研究所所長)が設立されました。企業にとってみれば戦略なきCREはリスク資産になりかねない。一方、国においても、国土の有効活用を図り、バブルの再来を防ぐためにCRE戦略の重要性が認識されはじめたのです。

CRECの特徴は、さまざまな専門分野の人々が一堂に介してCRE戦略について語り合う、というところにあります。当初8社でスタートしたCRECも、今日現在(2008年8月8日)33社が参加しています。また、会員企業が特定の企業グループにかたよっていないというのもCRECの特色だと思います。今後は、賛助会員やユーザーの方々の参加も積極的に募っていきたいと考えています。

CRECには、「調査・研究部会」、「インテリジェンス部会」、「人材育成部会」、「ソリューション部会」といった4つの専門部会があり、それぞれの部会がその専門的視点からCRE戦略について研究し、主催セミナーなどにおいてその成果を発表しています。

CREC

2.CRECの活動

Question

CRECの活動について教えてください。

Answer

4つの部会活動が基本ですが、官民連携という視点からすれば、その第一の成果として、今年6月に発行された国土交通省CRE研究会による『CRE戦略実践のガイドラインと手引き』が挙げられます。その編集には、CRECの会員や事務局も参加し、CREマネジメントの現状を踏まえた意見を述べさせていただきました。今後は、このガイドラインに提唱されているCRE戦略における4段階のCREマネジメントサイクル(リサーチ・プランニング・プラクティス・レビュー)の理念を普及させていきたいと考えています。

また、CRECでは、国土交通省のCRE研究会などと連携をとりながら、CRE戦略の重要性を企業経営者の方々に理解していただき、経営者の意識改革を図ることがまずやるべきことであると考えました。そこで、調査・研究部会が中心となり、昨年10月に主催セミナー(第1回)を開催しました。

今年7月にはインテリジェンス部会が中心となり、CRE戦略の実践を支援する情報システムの問題を取上げた第2回目のセミナーを開催しました。どちらのセミナーも国土交通省に後援していただくとともに、その要職の方に来賓としてご出席いただきました。

今秋10月には、CREソリューション部会の研究成果を踏まえた第3回目のセミナーを開催する予定です。そのほか、定期的に『CRECジャーナル』を発行したり、CRECのホームページ(http://www.jCREC.org/index.php)での情報発信なども行っています。

現在、ようやくCREという言葉が浸透してきた、というのが日本の現状です。CRE戦略の実践については、まだ普及途上といって良いでしょう。そういった意味では、来年前半には、CRE戦略の先進地域である欧米に代表団を派遣して、先進事例を把握するとともに、その現状を整理して、今後の日本版CRE戦略のあり方を考える参考にしていきたいと考えています。

3.CRECの今後のビジョン

Question

CRECの今後のビジョンについて教えてください。

Answer

わたしたちは、3つの“しんか”をキーワードとして提唱しています。第1に、CRECという組織の“進化”です。会員数の増加を図り、組織の拡大と安定を目指すとともに、現在、CRECは任意団体ですが、本年12月の公益法人改革にあわせて法人格の取得を検討しています。

第2は、CRECの部会活動を活発化させるという意味での“深化”です。各部会の活動をより活発に、かつ専門的に深化させることで、「企業不動産の最適化は企業価値の最大化」につながるというCRE戦略をさらに多くの経営者の方々に理解してもらえるようにしていかなければならないと考えています。

第3は、CRE戦略の普及には官民連携の“真価”が問われているという意味での真価です。これまでに人材育成部会では、日本不動産カウンセラー協会と協力して、各地でCRE戦略を担う人材育成のための基礎研修を実施してきていますが、今後さらに専門的な研修が必要になってくると考えています。CRE戦略を実践していくにあたっては、CRE戦略をマネジメントする人材の育成がなにより重要です。そのためには、産学官協同による人材育成のための教育プログラムが必要になると考えています

国土交通省では、すでにCRE戦略のみならず、自治体などが所有する不動産(PRE)に関する研究会も発足させています。2千数百兆円の市場ともいわれているCRE、PREを有効活用していくためには、非常に幅広い知識と経験をもった人材が不可欠です。そのために、CRE戦略を担う人材に国家資格を与えることも官民の連携のなかで検討していくべきであると考えています。

また、CRE戦略を普及していくためには、CRE戦略を実践した企業には税制上の優遇を与えるなど、さまざまな可能性も、官民連携で検討していくべきだと思っています。CRE戦略を実践するための人材をサポートしていくことと、CRE戦略を実践することによるメリットを法的に後押ししていくこと、この2つが日本におけるCRE戦略の定着には不可欠だと考えています。

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