CRE最前線!

2008/8/1 UP

第3回講座 CRE戦略導入の必要性について、CRE戦略の普及と人材確保について

3.CRE戦略導入の必要性について

Question

今後、企業がCRE戦略を導入していく必要性について、どのようにお考えですか。

Answer

最初にも申し上げましたが、国内の不動産の資産総額のうち約490兆円の不動産資産は企業不動産です。

さらに具体的に分析してみますと、平成15年度の土地基本調査等によると、資本金1億円未満の企業が所有する不動産の資産額が全体の約24%で約114兆円。企業不動産全体のなかでこれらの企業が所有する空き地の割合は約3割強。また、上場・非上場別にみてみると、非上場企業が所有する不動産の資産額は全体の約36%で約177兆円。空き地の所有割合では約5割となっています。このような状況を踏まえると、これからは、大手上場企業のみならず、さまざまな企業において、積極的にCRE戦略を導入していただきたいと考えています。

企業のCRE戦略の導入には、社会的な意義と、各企業における経営上の意義があります。社会的な意義としては、バブル崩壊以降低迷を続ける不動産取引が活性化し、地域経済の振興にも良好な影響を与えることが期待されます。限られた国土の有効利用という観点からも、企業不動産が戦略的にマネジメントされることはおおいに歓迎すべきことです。

いっぽう企業の側からみれば、近年、企業会計や内部統制などに関係した法制度等の改正が相次ぐなか、不動産を実物不動産としてとらえるだけでなく金融と融合した資産としてとらえ、経営戦略に基づき不動産を利活用するCRE戦略への積極的な取り組みが今後ますます重要になってくる、ということがいえるかと思います。

特に、日本の会計基準と国際会計基準のコンバージェンスの流れの中で、今後とも時価会計化の動きはより強まるものと思われます。そうなると減損会計も、より厳格化する可能性があると考えられます。いつの時点で、どのような制度改正がなされるか流動的な部分もありますが、国際会計基準とのコンバージェンスの流れ自体は変わらないでしょうから、いまのうちからそれを見据えてCRE戦略に取り組むことが必要だと考えます。

一方、2001年の商法改正で、多様な会社分割方式が可能になったことで、不動産資産を売却によらず、税務上有利な会社分割方式として切り出すことも可能になったため、企業不動産マネジメントの一手段として活用することも考えられるようになりました。

他方で、2007年の会社法施行で、外国企業の日本国籍100%子会社と日本企業間の株式交換による合併(三角合併)が解禁されたことにより、日本企業が保有する優良不動産資産を狙った外国企業によるM&Aも容易になったことには留意する必要があります。

このような企業をとりまく法制度などの変化を踏まえて、全社的なガバナンス、マネジメントの視点から、企業価値を最大限に高めるための経営資源として不動産を活用していくために、CRE戦略の導入・実践は、これからの企業経営にとっては必須の戦略になると思います。

4.CRE戦略の普及と人材確保について

Question

CRE戦略支援を実践するための人材の育成および確保についてどのようにお考えでしょうか。 また、国土交通省として、企業にとってのCRE戦略の必要性をどのように伝えていかれるのか教えていただけますか。

Answer

CRE戦略を広く実践していただくには、当然のことながら企業サイドの取り組みが不可欠です。そのために、ガイドライン作成にあたっても、官民の連携に留意しました。今後、CRE戦略の考え方を企業のトップの方々に広く知っていただくための研修会などの普及活動においても、民間サイド中心に取り組みが進むようにサポートしていきたいと考えています

現在、5月をめどにCRE戦略に関する研修会で使っていただけるようなカリキュラムや教材の作成の準備も進めています。また、現在ウエッブ上で公開しているCRE戦略の手引きについては、最新の情報を加えて毎年バージョンアップしていく予定です。

CRE戦略を実践するには、不動産や金融、法律などに関する知識をもった複合的で専門的な人材が必要になることはいうまでもありません。手引きの目次を見ていただくだけで、そのことはご理解いただけるかと思います。今後の課題として、大学など教育機関にも人材育成について協力していただきたいと考えていますが、当面は企業において、人材の確保に取り組んでいただかなくてはなりません。

しかし、組織再編などを実行したとしても、企業によっては、そうした多様な人材を企業内で確保するのは難しいかもしれません。その場合、CRE戦略を実践するにあたって、アウトソーシングを検討し、場合によっては、専門的知識を有した企業とパートナーシップを組んで取り組んでいくことも考える必要があるのではないでしょうか。

国土交通省としては、今後とも、機会をとらえながら、国土の有効利用と企業経営の双方におけるCRE戦略の必要性・重要性を訴えていきたいと考えています。

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