CRE講座

2009/3/1 UP

第3回講座 情報整備の重要性について

次に投資不動産について話をします。投資不動産につきましては、資料に「賃貸等不動産」と記載してあります。「投資不動産」という言葉をあえて使っていないのは、6月30日に会計基準委員会から公開草案が出され、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」となっているからです。賃貸「等」、時価「等」と書いてあります。この「等」は何かといったら、賃貸収益です。賃貸収益を開示しましょうという話がポイントです。ここでいう賃貸等不動産とは、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている場合、自己使用不動産は賃貸等不動産に含まないため、「遊休不動産」はこの賃貸等不動産に該当するということが言えます。皆さんがどこかにお貸ししてお金を頂くような不動産を所有していれば、当然のことながら賃貸等不動産に該当します。

一つは投資家さんから見た場合に、これはどういう情報になるかというと、簿価と時価の乖離が顕在化します。見て分かってしまうということは、本当に皆さんの会社で不動産賃貸事業を続けていく必要があるのかという意見が、投資家さんから出てくる可能性が大きいということです。

もう一つは、開示している情報からどういうことが言えるかというと、多分皆さんのコアビジネスと、比較は単純にできないと思いますけれども、仮にそれを見た場合、本業で例えば簿価に対してどのぐらいのリターンが出るかということが分かるのと同時に、不動産賃貸事業に関してもどのくらいリターンを出しているということが分かってしまうということになると思います。

投資不動産を保有する意義、説明責任が問われるということで、実際に貸している不動産もそうですし、遊休資産についても同じことが言えるということです。

そして強調したいのは、不動産賃貸事業自体が皆さんの会社の中で、その事業のポートフォリオとして本当に必要なのかどうなのか、それを再検討して頂くことが必要になるのではないかということです。

不動産賃貸事業が片手間でできる時代というのはもう終わり、そこに人、物、金、全部を投入してやっていくという覚悟が必要になってきます。そのようにまじめに取り組めば、不動産賃貸事業の成功する確率も、上がってくるだろうということは言えると思っており、まさにそのように取り組んで頂く必要があるということです。

減損にしても投資不動産にしても、何が必要なのかということを一口でまとめると、皆さんがお持ちの不動産が今どういう状況になっているのか、時価は幾らか、その上でやっている事業はどんな状態になっているかが、分かっていないとまずいということをお気付きになられたと思います。情報整備というのは、わたしどもも3、4年前からずっと申し上げている通り非常に重要で、今もその重要性というものは変わっていないと思っています。

実は私ども何社かお手伝いさせていただく中で、この情報整備が出来ていないので、まずはここから入っているというケースが多いのも事実です。

会計コンバージェンスでも話をさせて頂きましたが、例えばこういった内部統制の話が出たり、M&Aもかなり活発になってきたという中では、今までの情報整備レベルではもう対応できないといった状況になってきています。

情報整備レベルというものは、どんどん上げていかなければいけないということがお分かり頂けたと思いますが、まさにデータの整備レベルというものと、実際に経営課題のレベル間とが合っていないと、それが非常にリスクにつながっていくということがお分かりいただけたと思います。

最後に、皆さんの会社もいろいろあるとは思いますが、企業にはビジョンとかミッションがあって、それに基づいて全社の戦略というものが決められています。それに基づいて、各事業部門が事業戦略をつくります。事業戦略の下で何をされているかと言いますと、オペレーションと書いてありますが、そこで事業の機能が実際に行われているということになります。例えば製造であったり、販売であったり、サービスであったり、こういったことが言えます。CREというものは、それぞれの事業の場面に結び付いているということで、皆さんの会社がどういったところに力を入れているかによって、多分CREの持ち方は違います。

加えて不動産というものは実は経営資源の中で非常に重要なものであるから、より高いレベルでの意思決定が求められるということを、ここでは強調したいと思います。

今後のコンバージェンスは26項目ぐらいの変更がありますが、そういった変更に都度対応するということではなくて、やはりそれを経営に生かしていく視点が重要です。

先ほどの減損会計などは特にそうなのですけれども、変更を待っているのではなくて、今から本質的な対応をして行きましょう。減損会計というのは、そもそも何ですかということを考えて頂きたいということです。

皆さんの会社にとって非常に重要な資産は何ですか?投資不動産ではないですよね。まず、事業不動産を考えなければいけない。要するに、重要性が高いものから考えましょうということです。CRE戦略、要するに不動産をうまく活用しているということを外部の投資家さんにお伝えしていくということになります。まさにCRE戦略ベースの経営戦略をやっていくということが、最高のIRになっていくということになります。

本日皆さんにお話してきたことは、端的に言うと、場当たり的な対応ということではなくて、情報をちゃんと整備することによってCREを体系化し、その中で重要なものは何かを判別していただいた上で、皆さんの経営課題にどんどんCREをヒットさせていただくということです。

実は、口で言うのは簡単だとは思いますけれども、実際には難しいので、我々としては皆さんと一緒に経営課題というものを共有しながら、このCRE戦略を通じて、解決策というものを一緒に考えていければと考えておりますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

本日は、長時間にわたりましてご清聴ありがとうございました。

(2008/7/7セミナー講演)

CREデータの整備がなぜ必要か
top
  • CRE講座 TOPへ
  • 目次に戻る
  • バックナンバー

法人のお客様へ 都市開発・不動産ソリューション・資産運用 トップ

CRE戦略支援についてのお問い合わせはこちら

  • 都市開発
  • オフィスビルのご案内
  • 開発プロジェクトのご紹介
  • 企画・開発/監理
  • 施工(建設工事・ビルリニューアル工事)
  • プロパティマネジメント
  • 不動産再生
  • 不動産ソリューション
  • CRE(企業不動産)戦略支援
  • CRE戦略とは
  • CRE戦略の必要性
  • CREマネジメントサイクル
  • M&A時代におけるCRE戦略
  • サービスのご案内
  • 戦略立案コンサルティング
  • CREXα(クレックスアルファ)
  • 賃貸等不動産コンサルティング
  • プロジェクトマネジメント
  • CRE SOLUTION Report
  • CRE最前線!
  • CRE講座
  • CRE SOLUTION Report不動産情報誌発行のご案内
  • 事例のご紹介
  • 遊休地の売却依頼に、操業中の工場売却を提案
  • 不動産価値を適正に把握することで、店舗賃料を削減
  • 遊休地に取引先の拠点を建設
  • 経営資源の観点から、不動産情報を一元管理
  • 旧本社跡地を高齢者向け賃貸住宅として再生
  • 査済証のない旧耐震建物を助成金対象へ
  • 不動産鑑定
  • 不動産仲介
  • 不動産証券化
  • 資産運用
  • 資産運用
  • 安心・安全への取り組み
  • 日土地のCRE戦略支援
  • CRE SOLUTION Report