CRE講座

2008/10/1 UP

第2回講座 会計基準の国際化が経営戦略に与えた影響と企業の対応策

そこで、これまで導入されてきた会計基準の中で、企業活動に特に重要な影響を与えてきた「減損会計」それと「金融商品会計」、いわゆる「時価会計」、そして「企業結合会計」、この3つについてどのような観点から企業活動に影響を及ぼしてきたのか、それをまず確認しておきたいと思います。

まず「減損会計」について企業活動にどのように影響を及ぼしてきたのかを確認しておきたいと思います。

減損会計は、固定資産に対しての会計基準ですが、企業が投資したキャッシュは将来の収益等で回収できるのかどうか。すなわち、回収可能価格を算定し、簿価と回収可能価格との差額について、減損損失をとらえて簿価を切り下げる、それが将来に損失を繰り延べないための処理だとされます。

さらに、減損会計が経営に与えた5つの影響について解説します。

  1. (その1)投資段階でまず厳密な採算性をシビアに検討して対応しているか、企業の経営判断が正しかったかどうかを明確にする。
  2. (その2)事業を継続していったときに、回収できる収益に基づいて使用価値を算定する。将来のキャッシュフローをもとにして算出しますが、一方で売却処分したときの回収価値である正味売却価格はどうなっているのか。使用価値と正味売却価格、この2つの価値を両方とらえるということが、非常に必要であるという認識をもたらす。
  3. (その3)不採算事業の継続・非継続に対しての早期の判断というものが、減損会計の導入の結果明確になりました。そのためには使用価値も随時モニタリングが必要。
  4. (その4)遊休資産に対して厳格な対応を行い、経営の効果につなげることです。遊休資産については、最も減損会計の減損の対象となりやすい資産であり、極力減損損失の計上に至る前の段階で、その不採算性をより早く把握し、できるだけ早くアクションを起す必要あり。
  5. (その5)不動産投資にかかわるDCF法による評価アプローチが、より定着した。

2番目に、「時価会計」が経営に与えた影響について確認をいたします。

今や企業は、含み益経営から完全に脱却されたと思います。それによって、経営・財務がより透明化しました。非常に大きな効果が発生しました。

そして、財務活動の成果に対しての評価が確立したという見方もできます。

3番目が「企業結合会計」です。企業結合会計、合併、会社分割、株式交換、移転、それらの企業結合、事業分離に関して影響が予想されます。

平成18年の4月1日以後開始事業年度から、この新しい企業結合会計基準が導入され、親子会社間の合併・分割だとか、子会社同士の合併・分割のような共通支配下取引を除いて、基本的にはパーチェス法が適用されることになります。パーチェス法が適用されるということは、どちらが買収側で、どちらが被買収側なのか。会計の観点から明確になります。

これは、親子会社同士の合併した場合の子会社を利用して含み損を処分する、といった行為に対して、1つの規制になるわけです。

ご承知のとおり、プーリング法の廃止を盛り込んだ改正案が、先般6月の公開草案に出ましたので、この草案がそのまま確定しますと、平成22年の4月以降、プーリング法は廃止になります。ですから、対等合併だから簿価でくっつけるという会計処理は、もう日本から姿を消すことになります。

例えば、合併である企業を買収しようというときに、過大評価しますと、その過大評価がのれんの計上額に連動してきます。過大評価すればするほど、のれんの過大計上になり、のれんのその後の償却負担につながります。やはりのれんは減損会計の対象にもなっていますから、買収が失敗したときには、のれんは一時の損失で一遍に落とすという非常に厳しい処理がその後生じることもあり得るわけです。

また、共通支配下取引、親子会社同士、親子会社間の合併・分割あるいは子会社同士の合併・分割、これは共通支配下取引といって、特別な類型になっているわけですけれども、この共通支配下取引にかかわるルールが明確化さました。

以上、3つの企業経営に与えた影響が大きかった代表的な会計基準について、それぞれ見てまいりました。

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