CRE講座

2011/6/15 UP

包括利益と投資不動産・金融資産との関係

2.包括利益とは

「包括利益」とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分をいいます。純資産に対する持分所有者としては、株主、新株予約権の所有者、(連結上の)少数株主が含まれます。上記の定義をわかりやすく言い換えますと、「純資産の変動額のうち、資本取引以外によるものである。」と表現することができます。具体的には、当期純損益による純資産の変動額、その他有価証券評価差額金による純資産の変動額、為替換算調整勘定の増減による純資産の変動額などが包括利益に計上されます。

純資産の変動額(資本取引によるものとそれ以外によるもの)

純資産の変動額は様々な要因に基づいていますが、大きく分けて資本取引によるものと資本取引以外によるものに大別されます。包括利益は、そのうちの後者の資本取引以外によるものです。

  • (1)資本取引による変動の例
    • ・増資による資本金(または資本金および資本準備金)の増加
    • ・剰余金の配当
    • ・自己株式の取得または処分
    • ・新株予約権の発行による新株予約権の増加
  • (2)資本取引以外による変動の例
    • ・当期純利益または当期純損失の発生
    • ・その他有価証券評価差額金の増減、為替換算調整勘定の増減など

3.投資家にとっての包括利益の有用性は

包括利益の表示によって提供される情報は、投資家等の財務諸表利用者が企業全体の事業活動について検討するのに役立つことが期待されるものであって、従来からの当期純利益に関する情報の有用性は何ら変わるものではないと考えられています。「包括利益の表示に関する基準」(以下、「包括利益表示会計基準」では、「包括利益の表示の導入は、包括利益を企業活動に関する最も重要な指標として位置づけることを意味するものではなく、当期純利益に関する情報と併せて利用することにより、企業活動の成果についての情報の全体的な有用性を高めることを目的とするものである。本会計基準は、市場関係者から広く認められている当期純利益に関する情報の有用性を前提としており、包括利益の表示によってその重要性を低めることを意図するものではない。」としています(「包括利益表示会計基準」22項)。
また、経常利益が企業の業績を理解するうえで重要視される点も、従来どおり変わらないものと思われます。

ただし、これまでの当期純利益以外のもので包括利益に含まれるもの(=その他の包括利益といいます)が表示されることにより、例えばその他有価証券評価差額金の変動によって純資産がどれだけ増加または減少したのか、為替相場の変動等による為替換算調整勘定の変動によって純資産がどれだけ増加または減少したのかなどが明示され、財務政策なども含めた企業活動の状況がより全体的に理解しやすくなる面はあるように思われます。

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