CRE講座

2009/3/1 UP

第3回セミナー 経営トップに必要なコンプライアンスの理解

第3回目は、コンプライアンス経営の対策を考えるにあたって、経営トップの対応について考えてみたいと思います。

1.サッシメーカー5社による性能偽装事件の発覚

ここでは、近時報道されました、サッシ5社による性能偽装の事件を題材に考察してみたいと思います。

この事件は、国内のサッシメーカー4社と海外のサッシメーカー1社の合計5社が、住宅やビルに使用される防火用樹脂サッシの耐火性能を偽装して、国土交通大臣の認定を不正に取得していたとされる事件です。

具体的には、5社は、指定の性能評価機関でのサンプル試験(20分間加熱して耐火性能を調べる防火試験)において、窓枠内部にある遮炎材を増量するなどして偽装して、27種類、合計80件の国土交通大臣認定を不正に取得しておりました。寒冷地の北海道や東北地方を中心に約5,500棟で使用されており、戸建住宅を中心として、集合住宅、学校などにも使用されているとのことです。この事件は、メーカー1社の親会社が国土交通省に不正を自主報告したことで公表に至ったとのことです。

偽装していた理由は、コストダウンのためということで、1枚あたり約1万円のコストダウンになったとする報道もあります。これは、第1回目で説明したコンプライアンスを無視したり逸脱したりする原因のうち、利益追求のためならコンプライアンスを無視したり軽視してもよいという利益至上主義の例に分類できます。

イラスト

サッシメーカーうちの1社によりますと、サッシメーカーの一連の偽装行為は、この大手建材メーカーの事件が発覚する平成19年10月まで続いたということです。

ここで大手建材メーカーの事件とは、サッシメーカーの一連の偽装行為よりも約1年半ほど前に、大手建材メーカーが、防火用軒天井及び耐火間仕切壁の一部の製品について、耐火性能を偽り、国土交通省の認定を不正に取得した上で、住宅メーカー9社に販売していたという事件です。この事件で、当時の大手建材メーカーの社長が引責辞任をして退職金を返上したばかりか、製品の取替・改修等に要する費用として300億円を特別損失として計上したとして報道されました。

そして、この大手建材メーカーの事件をきかっけに、国土交通省よりサッシメーカーに対しても不正の有無を報告するよう求めたのですが、サッシメーカーは、大規模な改修に迫られるなどとして、偽装はない旨報告していたということです。

しかも、当時の経営トップは、平成19年12月の時点で、偽装の報告を受けていながら、黙認していたということです。加えて、平成20年4月に交替した社長も、偽装の報告を受けたにもかかわらず、黙認していたということです。

つまり、経営トップが2代続けて偽装を認識していたにもかかわらず、会社として適正な対応がとられてこなかったのです。この事件に対して、国土交通省は法令遵守の姿勢に欠けており極めて悪質と非難しております。サッシメーカーの1社は、隠蔽といわれても仕方がないと謝罪しており、この事件を受け、同社は、無償改修を行うことを発表するとともに、社外調査委員会を設けて原因究明と再発防止体制を構築・公表する方針を打ち出しております。

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