CRE講座

2007/8/1 UP

第6回セミナー CRE戦略におけるアウトソーシングの活用

1.アウトソーシングの活用(1)

CRE戦略を実行するにあたり、外部リソースの活用は不可欠である。ここでは、そのアウトリーシングについて検討する。アウトソーシングとは企業業務の一部を外部に委託することである。アウトソーシングにより、設備投資負担の軽減や自社の資産・人員の圧縮が図れ、高付加価値業務への集中など限られた経営資源を効果的に再配置できる上、サービス利用実績に応じて費用を負担することから、固定費用の変動化を図ることができる。

しかしながら、外部に委託することで自社のコントロールが失われることも考えられ、特に顧客満足に関わるプロセス等のアウトソーシングには注意が必要である。経済のグローバル化・自由化がすすんでいくなかで、資産効率の向上とリスクの管理が、企業経営における最重要課題となっている。日本企業の多くが過剰な債務を抱える一方で、不動産、とりわけ「土地」を多く保有している。経営効率化の流れや減損会計の導入は、企業の土地保有への意識を大きく変化させ、CRE戦略の重要性に対する認識を高めることとなり、不動産の戦略的な活用・処分ニーズが増加している。もはや、CRE戦略は財務戦略の枠を超えた一つの戦略として、資産・負債の総合管理(ALM)の視点をもって、経営戦略の一環として取り組むべきものとなっている。

1) 「不動産を保有する意味」、「不動産の捉え方」を考えることの重要性

企業を取り巻く経営環境が大きく変化するなかで、事業法人のCRE戦略は経営戦略上の重要なものとなっている。一方で、「不動産」は極めて個別性が強く、対応(処理・加工)には時間を要する。 具体的なCRE戦略の立案と実施はプロに任せるにしても、戦略策定の方向付けを行うためには、まず「不動産を保有する意味」、「不動産の捉え方」を改めて考えることが重要となる。不動産の収益性を見極めることは今後のCRE戦略に欠かせない視点ではあるが、まずはそもそも論として、現在と将来にわたって、当該不動産が自己に必要であるか否かという観点から「不動産を保有する意味」を考えることが不可欠である。

2) 資産管理セクションの転換又は再構築の必要性

これまで、不動産は部門ごと、地域ごと、施設用途ごとに管理されるか、管財部などで事務的に管理してきた企業が大半で、資料やデータが散在している企業も多い。しかしながら、最近の経営環境の変化から不動産を経営戦略の重要課題と捉え、所管部署をこれまでの「管財部」「総務部」や「不動産子会社」などから、「経営企画部」「社長室」などの直轄のマターとしている企業も次第に増加しているようである。不動産を経営戦略の一環と捉え、ファシリティマネジメントとして、企業・団体などの組織体が事業活動を展開するために自ら使用(≠保有)するファシリティ(土地・建物・設備などの施設)および環境をどう使うか、活かすか、今後どのように計画していくか、を総合的に企画・管理・活用するために本社の企画・管理部門で一元管理する意義は非常に大きいと言える。

【不動産に係わる企業の状況】
◇資料・データが散在(部門ごと、地域ごと、用途ごと)
◇経営資源(ヒト)を本業(事業部門や研究開発部門へシフトさせており、経営・管理部門の人員は不足気味
◇不動産という財の特性上、ベテランスタッフは社内に不足しており育成にも時間を要する
◇業界特有の商慣習や業務特性から、情報の錯綜を回避するための業務推進などが煩雑


3) 信頼できる不動産のアウトソーシング

企業経営における不動産の重要性の認識は高まりつつあるものの、現実には、本業回帰の流れの中で、企画・管理部門は慢性的にマンパワーが不足しており、金融との融合がすすむなかでのソリューションメニューの多様化・複雑化が社内での不動産専門家の育成を困難にさせており、極めて負担の重い業務となっているのも事実である。

これらを解決するには、専門性の高い「不動産のプロ」を活用することも有用な選択肢のひとつである。経営計画の達成や経営効率化を図るための、重要かつ有効な手段として、信頼できる不動産のパートナーとの連携・提携をすすめる企業や積極的にアウトソーシングを活用する企業も散見されるようになってきている。

不動産を経営戦略の視点で捉えた場合、クライアントの依頼を受ける「プロ」の側も「不動産に関わる専門知識・分析力・実行力」はもちろんのこと、「経営や財務に関わる知識」をもち、「中長期的な視点で分析・アプローチできる能力」が必要となり、さらにパートナーに値する「企業信用力や情報管理体制」も要求される。

これまで、不動産のプロというと売買を中心とした仲介業というイメージが強かったが、これからの時代は、“ブローカー”ではなく、“エージェント”としてのスタンスをもつプレーヤーが求められ、案件主義ではなく真に顧客ニーズに応えられる“顧客主義を志向する企業”が求められている。不動産は特別なものではなく、他の財と同様の一般経済原則の下、需要と供給のバランスによって価格が変動するリスクがあり、特に、経営戦略、財務戦略上重要度が高く影響も大きい不動産の価値を常に把握しておく重要性は高い。高度な経営判断に資する不動産のプロの分析能力・処理能力を活用する意義は極めて大きいといえる。

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