CRE講座

2007/4/1 UP

第2回セミナー 企業不動産=CREとは何か

1.CREが経営に与える影響

事業のほぼすべてに不動産はかかわっている。そのため、事業用に投下された不動産に関するコストはそれぞれの事業部門の収益に直接的に影響を及ぼす。

不動産のコストには、固定資産税や軽微な修繕費、維持管理費などおおむね定常的に発生するコストと、法令の改正に伴う改善費用、天災の発生による臨時の修繕費もしくは不動産の機能的な陳腐化に伴う改良費などがある。

前者は、年間の予算内に収めることは困難ではない。これらは過去の経験値や契約内容によって固定化されている。すなわち、保有する企業においてある程度コントロール下にあるものである。一方、後者は企業の予測に反して起こるものである。このうち、一部は、保険などによってリスクを回避できるものであるが、一部は全くコントロールできないものもある。

その他に、不動産を所有するために直接的な経費のほか、管理にかかる人件費など間接的な費用があることに留意しなければならない。

また、CRE戦略の対象となる不動産は保有に限らないため、賃借不動産も企業が利用する不動産として重要な位置を占めているものと考えられる。すなわち、その資産に対して支払うコストがそのコストに見合う収益を生み出しているのかどうかという観点から検討する必要がある。

不動産はただ保有しているだけでも、維持・管理に相応の費用が嵩み、低稼働または未利用不動産においては、軽視できないものである。保有コストが大きい不動産は、処分(換金)するときにも不利であり、資産価値を低下させる結果を招くこととなる。不動産という財は特別なものではなく、他の財と同様の一般経済原則のもと、需要と供給のバランスによって決定されるもので、価格変動リスクがあるという事実を改めて認識する必要がある。

ここでCREをその有する価値に着目して整理すると、次のようになる。

①市場価値が使用価値以上の価額となる資産は、市場平均以上にリターンを得られていないことと同義である。

②資産は保有しているだけではその不動産の価値を実現できない。

③資産は、活用(利用)してはじめて企業の価値に貢献するものである。

不動産の価値は、企業がその不動産を利用して顕在化する使用価値と市場にて売却することによって顕在化する市場価値に大きく分けられる。

使用価値は企業が保有している資産の本源的な価値に着目して資産の評価をすることである。企業は事業へ投資する際には少なくとも同業平均以上のリターンを期待して投資するはずである。市場価値が使用価値以上の価額となるとは、すなわち、その資産は市場平均以上にリターンを得られていないことと同義である。

ある財務目標を達成するにあたり、不動産の売却を決定するなら、売れるものを売ることである。なぜなら、市場性の低い不動産の売却は困難を極める結果となり、期待していた売却によるキャッシュフローを得ることができなくなる。企業の多くは、市場性を有する資産を保有しているものであり、もし売却するのであれば、市場性の高い不動産を優先すべきであろう。

以上から、CREの価値をどのように捉えておくかということが問題になるが、過去の投資額を表す簿価を基準にするのではなく、現在の市場価値と使用価値の2つを把握した上、これらがどのような水準に位置するのかを常に把握しておく必要がある。

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